Column

新卒スカウトは何曜日・何時に送るべき?AIスカウト2学年分の承諾データを「時期補正」して分析した結果

この記事の結論

曜日

承諾率の差はほぼ誤差

学年によって「良い曜日」が入れ替わりました。あえて挙げるなら、2学年とも平均を上回った月曜日と日曜日です。

時間帯

14〜17時は承諾が早い

承諾率の差は小さい一方、承諾までの時間の中央値は約6時間。他の時間帯(約1〜3日)より大幅に短くなりました。

時期・ターゲット

最も影響が大きいのは「時期」と「誰に送るか」

同じ学年でも、送った月によって承諾率は4〜9倍違いました。

今回分析したのは、AIを活用して新卒スカウトを運用している、ある企業のデータです。この企業では、学生一人ひとりのプロフィールをAIが読み取って個別メッセージを生成し、担当者が作成したスカウト文面に組み込んで送信しています。個別化の手間をAIで減らしたことで、担当者は「誰に」「何を」「いつ」送るかの設計に時間を使えるようになりました。本記事では、そのうち「いつ送るか」を2学年分の運用データで検証します。

●分析の概要


項目内容
対象新卒向けダイレクトリクルーティング媒体で送信したスカウト
文面担当者が作成した文面に、学生のプロフィール(自己PR・将来像・ガクチカなど)をもとにAIが生成した個別メッセージを組み込み
学年2027年卒(通年)・2028年卒(2026年10月時点までの途中経過)
件数1万件超(初回スカウトのみ。再送は除外)
指標スカウト承諾率、承諾までの経過時間

※2028年卒は採用活動の途中のため、今後の結果によって数値が変わる可能性があります。

なぜ「時期補正」が必要なのか

スカウトの承諾率は、就活の時期によって大きく変わります。一般に、就活の早い時期ほど承諾率は高く、時期が進むにつれて下がっていく傾向があります。今回のデータでも、承諾率が最も高い月と最も低い月で4〜9倍の差がありました。

そのため、単純に「時間帯別の承諾率」を比べると、承諾率が高い時期にたまたま多く送っていた時間帯が「良い時間帯」に見えてしまいます。実際、補正前のデータでは特定の時間帯が突出して良く見えましたが、補正するとその差はほぼ消えました。

そこで本記事では、次の「時期補正指数」で比較しています。

時期補正指数 = 実際の承諾数 ÷ 期待承諾数

(期待承諾数:各スカウトに「送信月の平均承諾率」を割り当てて合計したもの)

1.00が「その月の平均どおり」、1.20なら「時期の影響を除いても平均より20%承諾されやすい」という意味です。

●曜日別:承諾率の差はほぼ誤差


送信曜日27卒 指数28卒 指数
月1.041.50
火1.200.72
水0.950.97
木1.040.90
金0.871.16
土0.750.83
日1.131.03

27卒で最も良かった火曜日が、28卒では最も低くなりました。月曜・金曜も学年によって結果が大きく変わっています。「◯曜日に送ると承諾されやすい」という明確な傾向は見られませんでした。

なお、2学年とも平均(1.00)を上回ったのは月曜日と日曜日でした。特に日曜日は、休日にもかかわらず両学年で安定して平均以上となっており、「週末に送ると読まれにくい」とは限らないようです。

とはいえ差は大きくないため、曜日にこだわるより、他の要素に時間を使うほうが効果的だと言えます。

●時間帯別:差が出るのは「承諾までのスピード」


送信時間帯27卒 指数28卒 指数承諾までの中央値(27卒 / 28卒)
7〜9時0.930.8140時間 / 68時間
10〜11時0.961.0147時間 / 27時間
12〜13時0.921.3144時間 / 23時間
14〜17時1.111.066時間 / 6時間
18〜23時1.320.9640時間 / 43時間

※深夜・早朝(0〜6時)は送信数が少ないため省略
※承諾までの中央値:承諾されたスカウトの「送信から承諾までの時間」を短い順に並べたときの真ん中の値(一部の遅い承諾に引っ張られにくいため、平均ではなく中央値を使用)

時期補正後の承諾率(指数)は、どの時間帯もおおむね0.8〜1.3の範囲に収まり、大きな差はありませんでした。

一方で、14〜17時に送ったスカウトは、2学年とも承諾までの中央値が約6時間と、他の時間帯より圧倒的に早く承諾されていました。27卒では、14〜17時に送ったスカウトの承諾のうち65%が送信当日(24時間以内)に行われています。

学生が実際に承諾した時刻を見ると、約半数が14時以降に集中していました。学生がスカウトを確認する時間帯の直前に届くことで、一覧の上位に表示され、すぐに目に留まる——という仮説が考えられます。

●承諾までの日数:4割以上が1日目、回答期限の最終日にもう一度の山


経過日数27卒28卒
1日目(24時間以内)42%47%
2日目17%18%
3日目18%17%
4日目以降23%19%

承諾の4割以上は送信から24時間以内に行われていました。興味深いのは、スカウトの回答期限の最終日に、もう一度承諾が増えることです。

すぐには決めず、期限ギリギリまで検討してから承諾する学生が一定数いると考えられます。

つまり、承諾には「送信直後」と「期限の最終日」の2つの山があります。送信直後に目に留まるタイミングで届けることに加えて、検討中の学生が判断しやすいよう、求人情報や企業ページを充実させておくことが有効です。

●AIスカウト運用で分かったこと:個別化はAI、ターゲットと文面の設計は人


今回のスカウトはすべて、担当者が作成した文面に、学生がプロフィールに書いた自己PR・将来像・ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)などをAIが読み取って生成した個別メッセージを組み込んで送信しています。

2学年分の運用データから見えてきたのは、次の役割分担です。

1. 「なぜあなたに送ったのか」はAIで十分に伝えられる

学生がスカウトを辞退する際に選んだ理由のうち、「スカウトを受け取った理由が分からない」という趣旨の理由は、2学年とも約2%にとどまりました。一人ひとりの経験や将来像に触れた個別メッセージをAIで生成して組み込むことで、テンプレート的な一斉送信に見られにくくなっていると考えられます。

2. 成果を分けるのは「誰に送るか」と「何を伝えるか」

辞退理由の多くは「志望業界ではない」「企業規模が合わない」など、ターゲットのズレによるものでした。

個別メッセージの作成をAIに任せて工数を減らした分、ターゲット条件の設計や、ターゲットに合わせた文面の設計に人の時間を使うことが成果につながります。

3. 運用データを次の設計に活かす

承諾・辞退の結果をもとに、担当者がターゲット条件や文面の訴求ポイントを見直していくことで、運用を続けるほど精度を高められます。今回のような送信タイミングの分析も、その一つです。

●まとめ:新卒スカウト運用のポイント


  • 送信時間は14〜17時を中心に(承諾が早く、学生の反応を当日中に得やすい)
  • 曜日にはこだわりすぎない
  • 就活の早い時期に送信数を確保する
  • 学生ごとの個別メッセージはAIに任せ、人はターゲットと文面の設計に時間を使う

AIを活用した新卒スカウトの運用について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。

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▶ 関連記事:スカウトのリマインド・再スカウトのコツ|送るタイミングと例文、承認率を上げる15のチェックポイント

●よくある質問


Q. 新卒スカウトは何曜日に送るのがよいですか?

今回の2学年分のデータでは、曜日による承諾率の差は誤差の範囲で、学年によって良い曜日が入れ替わりました。2学年とも平均を上回ったのは月曜日と日曜日でしたが、差は大きくありません。曜日よりも、送信時期やターゲットの設計を優先するのがおすすめです。

Q. 新卒スカウトは何時に送るのがよいですか?

承諾率そのものは時間帯で大きく変わりませんでしたが、14〜17時に送ったスカウトは承諾までの中央値が約6時間と最も早く承諾されました。学生の反応を早く得たい場合は14〜17時の送信がおすすめです。

Q. スカウトを送ってから承諾まで何日かかりますか?

承諾の4割以上が送信から24時間以内でした。また、回答期限の最終日にも承諾が増える傾向がありました。

Q. 承諾率に最も影響するのは何ですか?

今回のデータでは、送信時期(月)の影響が最も大きく、月によって承諾率に4〜9倍の差がありました。次いで、学生の志望と企業のマッチ度(ターゲティング)が重要です。

Q. AIでスカウトを作ると、学生に一斉送信だと思われませんか?

学生の自己PR・将来像・ガクチカなどをもとにAIが一人ひとりに合わせた個別メッセージを生成し、文面に組み込むことで、その心配は小さくなります。今回のデータでは、「スカウトを受け取った理由が分からない」という趣旨の辞退理由は約2%にとどまりました。


注記:本記事のデータは、新卒向けダイレクトリクルーティング媒体(1媒体)での、1社・2学年分の実績にもとづくものです。2028年卒は採用活動の途中経過です。媒体ごとの特性や業種・企業規模によって結果は異なる可能性があります。

※分析期間中もスカウト文面の構成や訴求内容は随時見直しており、条件をそろえた比較実験ではありません。本記事の数値は、送信タイミングを検討する際の参考データとしてご覧ください。